国民年金保険料の2年分を前納した場合、社会保険料控除として「支払った年の社会保険料控除」にするか、「各年分の社会保険料控除」にするかを選べます。
どちらにするかでなにか違いはあるのでしょうか?
※一服
前納した国民年金保険料
国民年金保険料を毎年支払うのではなく、前納として前もって支払うことができます。
この前納した国民年金保険料は、支払った年の社会保険料控除として控除が出来ますし、前納の期間の各年分の社会保険料控除としての控除もできます。
2年前納された国民年金保険料の社会保険料控除について
平成26年4月から、2年分の国民年金保険料を前納することができることとされています。
この2年前納された国民年金保険料に係る社会保険料控除については、納めた年に全額控除する方法と、各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法を選択することができます。
いずれの方法を選択した場合であっても、年末調整において、所得者本人が納めた国民年金保険料について社会保険料控除を受けるためには、日本年金機構が発行した社会保険料控除証明書を給与所得者の保険料控除申告書に添付して、給与等の支払者へ提出又は提示することとなっています。
2年分の国民年金保険料を前納した場合
Q3 平成26年4月から国民年金保険料の「2年前納」制度が始まりましたが、その前納した全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象としてよいでしょうか。
A3 前納した2年分の国民年金保険料の全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象として差し支えありません。
なお、各年分の保険料に相当する額を各年に控除する方法を選択することもできます。(所法74、所基通74・75-1、74・75-2)
※No.1130 社会保険料控除|国税庁 (nta.go.jp)
「支払った年の社会保険料控除」か「各年分の社会保険料控除」か
前納した国民年金保険料を「支払った年の社会保険料控除」にするか、「各年分の社会保険料控除」とするかを選択できます。
どちらにするかで、社会保険料控除の金額は同じなのですが、どちらにするかで税率が変わってくることがあります。
所得税の計算は
「所得金額等」(下記確定申告書⑧の金額)-「所得から差し引かれる金額の合計」(下記確定申告書㉕の金額)
=「課税される所得金額」(下記確定申告書㉖の金額)
「課税される所得金額」×税率=所得税
と計算されます。
上記の「所得から差し引かれる金額の合計」が大きいと、「課税される所得金額」は少なくなります。
ということは、社会保険料控除の金額が大きいと、「課税される所得金額」が少なくなることになります。
所得税の税率は、下記の表のように、この「課税される所得金額」によって、税率が変わってきます。
※No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁 (nta.go.jp)
ですから、「課税される所得金額」が税率が変わる近辺であれば、「支払った年の社会保険料控除」とした方が税率が低くなることがあります。
例えば
前納した国民年金保険料が20万円
(各年分の社会保険料控除が10万円、10万円)
所得等の金額が350万円(確定申告書⑧の金額)
所得から差し引かれる金額の合計が10万円(前納した国民年金保険料を除いて)
<前納した国民年金保険料を「支払った年の社会保険料控除」とした場合>
350万円-10万円-20万円(前納した国民年金保険料)=320万円
320万円・・・上記表より税率は10%
<前納した国民年金保険料を「各年分の社会保険料控除」とした場合>
350万円-10万円-10万円(前納した国民年金保険料の各年分)=330万円
330万円・・・上記表より税率は20%
税率が変わる辺りの所得金額となる場合は、「支払った年の社会保険料控除」にするか「各年分の社会保険料控除」にするかで、所得税も変わってくることがあるので、検討された方がいいこともあります。
【足あと】
週末は、積もりはしなかったのですが、北九州でも雪がちらつき、とても寒かったです。
こうなると、外に出るのがおっくうになり、家で過ごすことが多くなってしまいます。
【先週のにっこり】
「天空の葦」を読み終わったこと
しゃぶしゃぶがおいしかったこと
仕事の話ができたこと