店舗を借りる際に、前の借りている人の造作物を取り壊した場合に、
その取り壊しにかかった費用は全額その期の経費でいいのでしょうか・・
※仙巌園(磯庭園)
前の借りていた人の造作物を取り壊した費用
店舗を借りる際に、営業するために内装工事をすると思います。
その内装工事は、固定資産のうち建物に該当したり、附属設備に該当したり、その工事がどのようなものなのかによって、決まっていきます。
しかし、前に借りていた人の造作物を取り壊した場合は、固定資産としてなにもない・・
固定資産としてなにもないから、「修繕費」とか「雑費」とかで、その期の経費としてもいいかと思ってしまうかもしれません。
前に借りていた人の造作物を取り壊した場合は、賃借し又は使用するための費用であり、実質的には建物の賃借に際して支払う権利金とその性質を有するため、「資産を賃借するための権利金等」に該当して、「繰延資産」として資産に計上します。
償却は5年です。
かかった費用をその期の経費にしてしまわないように、気を付けましょう。
(資産を賃借するための権利金等)
2-27 令第7条第1項第3号ロ《資産を賃借するための権利金等》に掲げる費用には、次のようなものが含まれる。(昭55直所3-19、直法6-8、平19課個2-11、課資3-1、課法9-5、課審4-26改正)
(1) 建物を賃借するために支出する権利金、立退料その他の費用
(注) 建物の賃借に際して支払った仲介手数料の額は、その支払った日の属する年分の必要経費に算入することができる。
(2) 電子計算機その他の機器の賃借に伴って支出する引取運賃、関税、据付費その他の費用
※〔繰延資産(第20号関係)〕|国税庁 所得税
(資産を賃借するための権利金等)
8-1-5 次のような費用は、令第14条第1項第6号ロ《資産を賃借するための権利金等》に規定する繰延資産に該当する。(昭55年直法2-8「二十八」、平19年課法2-3「十八」、平19年課法2-17「十六」により改正)
(1) 建物を賃借するために支出する権利金、立退料その他の費用
(2) 電子計算機その他の機器の賃借に伴って支出する引取運賃、関税、据付費その他の費用
(注) 建物の賃借に際して支払った仲介手数料の額は、その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
※第1節 繰延資産の意義及び範囲等|国税庁 法人税
法人税法第2条《定義》第1項第25号は、繰延資産について「法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもので政令で定めるものをいう」と規定し、施行令第14条第1項第9号ロは、「資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ち退き料その他の費用」は繰延資産に該当する旨規定している。
これを本件支出についてみると、上記(イ)の事実及び上記(ロ)の答述によれば、(a)本件貸室は、引渡しを受けた日の翌日から本件造作等の取壊し又は廃棄及び新店舗の改修工事が始まり、請求人が本件造作等を利用した事実はないこと及び(b)前賃借人の営業していた麻雀店と、請求人が新店舗にて営業しようとしていた飲食業(バー)とでは業種が全く異なることから、本件支出は、前賃借人が営業していた麻雀店舗としての本件造作等の利用価値に着目して支出したものではなく、既存の本件造作等を取り壊し又は廃棄し、新たな内部造作を施して飲食業を営業できるという価値に着目しての支払であると認められる。
そうすると、本件支出は、本件造作等の取得費ではなく、本件貸室を賃借し又は使用するための費用であり、実質的には建物の賃借に際して支払う権利金とその性質を異にするものではなく、いわば本件貸室に係る借家権の取得費用というべきものと認められるから、本件支出は、施行令第14条第1項第9号ロに規定する繰延資産に該当すると判断するのが相当である。
※(平7.7.7裁決、裁決事例集No.50 190頁) | 公表裁決事例等の紹介 | 国税不服審判所
【足あと】
ここのところお天気が悪いせいもあり、体調はいまいちです・・
低気圧の日は不調です。
早く晴の日が来ないかな・・と
【昨日のにっこり】
先生とお話ができたこと
初めての鍋のスープを試してみたこと
前に進んでいるようなこと