不動産所得を得るための建物を建て替えるために取り壊した場合、
取り壊しにかかった費用や建物の簿価は、取り壊した期の経費にできるのでしょうか・・
※年末の市場
不動産所得を得るための建物の建て替えのために取り壊した費用
不動産所得を得るために建物を建て替えるため、その建物を取り壊した費用や除去費用は、通常の経費となり、全額がその年の経費として計上することができます。
(必要経費)
第三十七条 その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。
不動産所得を得るための建物を建て替えるために取り壊した、その建物の簿価
建物を取り壊した費用は、その年の経費として計上しますが、その建物を取り壊したときの帳簿価額は、不動産所得が事業的規模か業務的規模かで取り扱いが少し異なってきます。
そもそも、その不動産所得の事業的規模か業務的規模かは、不動産の貸し付けの規模によって下記のように分けられています。
不動産の貸付けが事業として行われているかどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断します。
ただし、建物の貸付けについては、次のいずれかの基準に当てはまれば、原則として事業として行われているものとして取り扱われます。
(1) 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。
※No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分|国税庁
取り壊した時の建物の簿価を損失の金額として計上します。
(損失の金額)
51-2 法第51条第1項、第3項又は第4項に規定する損失の金額とは、資産そのものについて生じた損失の金額をいい、当該損失の金額は、当該資産について令第142条《必要経費に算入される資産損失の金額》又は第143条《昭和27年12月31日以前に取得した資産の損失の金額の特例》の規定を適用して計算した金額からその損失の基因となった事実の発生直後における当該資産の価額及び発生資材の価額の合計額を控除した残額に相当する金額とする。
(必要経費に算入される資産損失の金額)
第百四十二条 次の各号に掲げる資産について生じた法第五十一条第一項、第三項又は第四項(資産損失の必要経費算入)に規定する損失の金額の計算の基礎となるその資産の価額は、当該各号に掲げる金額とする。
一 固定資産 当該損失の生じた日にその資産の譲渡があつたものとみなして法第三十八条第一項又は第二項(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)の規定を適用した場合にその資産の取得費とされる金額に相当する金額
第三十八条 譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費は、別段の定めがあるものを除き、その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額とする。
2 譲渡所得の基因となる資産が家屋その他使用又は期間の経過により減価する資産である場合には、前項に規定する資産の取得費は、同項に規定する合計額に相当する金額から、その取得の日から譲渡の日までの期間のうち次の各号に掲げる期間の区分に応じ当該各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。
一 その資産が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の用に供されていた期間 第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)の規定により当該期間内の日の属する各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるその資産の償却費の額の累積額
二 前号に掲げる期間以外の期間 第四十九条第一項の規定に準じて政令で定めるところにより計算したその資産の当該期間に係る減価の額
事業的規模の場合
事業的規模の場合は、その建物の簿価である損失を計上して、不動産所得の金額が赤字となった場合には、その他に所得があるときには、損益通算できる所得であれば損益通算できます。
また、損益通算してもなお赤字の場合には、青色申告者であれば、その赤字を繰り越すことができます。
No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算
[令和6年4月1日現在法令等]
対象税目所得税
概要
不動産所得の金額は、その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
この結果、不動産所得の損失(赤字)の金額があるときは、他の黒字の所得金額から差し引くことができます(損益通算)。
ただし、不動産所得の金額の損失のうち、次に掲げる損失の金額は、損益通算の対象となりません。
1 別荘等のように主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産の貸付けに係るもの
2 不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額
業務的規模の場合
業務的規模の場合は、不動産所得にその建物の簿価である損失を計上をすることができますが、不動産所得の金額が限度となります。
ですから、業務的規模の場合は、その建物の簿価である損失が不動産所得の金額よりも金額が大きくても、赤字にはならず、他の所得と損益通算をすることができません。
(資産損失の必要経費算入)
第五十一条 居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供される固定資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものについて、取りこわし、除却、滅失(当該資産の損壊による価値の減少を含む。)その他の事由により生じた損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額及び資産の譲渡により又はこれに関連して生じたものを除く。)は、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
2 居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業について、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金、前渡金その他これらに準ずる債権の貸倒れその他政令で定める事由により生じた損失の金額は、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
3 災害又は盗難若しくは横領により居住者の有する山林について生じた損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)は、その者のその損失の生じた日の属する年分の事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
4 居住者の不動産所得若しくは雑所得を生ずべき業務の用に供され又はこれらの所得の基因となる資産(山林及び第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産を除く。)の損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額、資産の譲渡により又はこれに関連して生じたもの及び第一項若しくは第二項又は第七十二条第一項(雑損控除)に規定するものを除く。)は、それぞれ、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額(この項の規定を適用しないで計算したこれらの所得の金額とする。)を限度として、当該年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
【足あと】
仕事をしながら家庭のこともしながら、
たくさんのことをこなしながら働いていらしゃる女性の方と
お話をすることが多いです。
いろいろなお話を聞かせていただき、尊敬をし
自分もがんばらないとな・・と思っています。
【昨日のにっこり】
復習ができたこと
お話ができたこと
中華丼が美味しかったこと