同じ医療の業界でも、診療所と調剤薬局とでは利益率が違うので、
医療業界とひとくくりにしないで数字を見てみる。
※山道にて
同じ医療の業界でも利益率は違う
調剤薬局の方で、「利益率悪いわ~」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
同じ医療の業界でも、歯科や医科の診療所は利益率がいいです。
下記はTKCのデータから抜き出したものです。
※要約版・速報版 | TKC経営指標(BAST) | TKCグループ
「限界利益率」というパーセンテージを見てみると、歯科や医科の診療所では80%以上あるのに対し、調剤薬局では30%台です。
これは、調剤薬局では売上に占める薬の割合が多いからです。
それに比べ、歯科や医科の診療所は、売上に対して薬などの占める割合が調剤薬局ほど多くはないからです。
決算書を見て、「利益率が悪いの?」と思われることもあるかもしれませんが、一般的に同じ医療の業界でも、歯科や医科の診療所と調剤薬局とでは、利益構造が違っているので、利益率も違っているのです。
自身の会社の比較をするときは、同じ業種と比較をしなければ、「一般的にこうだから・・」という数値と比較をしても、自身の会社の比較ができません。
同じ医療の業界でも、業種によって違うことを知っておくことはいいのではないかと思います。
限界利益率
●限界利益率(%)=限界利益÷純売上高×100
限界利益とは、売上高から売上高に比例して増減する費用、つまり変動費を控除したものをいいます。限界利益率とは、限界利益が売上高に占める割合をいいます。限界利益率は市場・商品戦略(ポートフォリオ)の結果を示しており、企業経営者にとっては売上高とともに最も注目と関心を寄せるべき、重要な比率といえます。
労働分配率
●労働分配率(%)=人件費÷限界利益×100
労働分配率は、限界利益に占める人件費の割合を示します。なお、人件費には、1.製造原価中の賃金・賞与・雑給・法定福利費・厚生費・退職金、2.販売管理費中の従業員給与・事務員給与・役員報酬・従業員賞与・厚生費等が含まれます。
通常、労働分配率は人員増や昇給等により上昇し、企業の収益力を圧迫する場合があります。しかしながら、人件費は通常社会的な相場に基づいて決定されるため、労働分配率を一定の比率内に収めて行くために人件費の枠を抑えることは困難です。このため、労働分配率を一定の比率内に収めて行くためには、むしろ人件費の増加を与件として、限界利益を増加するための経営計画を作成することが必要です。
売上高経常利益率
【足あと】
近くの公園の桜がほぼ満開になっており、公園にはいつもより人が多いような気がします。
桜が満開になると、なんだか気分もいい感じになります。
【先週のにっこり】
桜が満開になっていたこと
急きょの対応ができたこと
ゆっくり過ごせたこと