院長夫人
従業員さんの残業時間の計算って大変な場合がありますよね。
従業員さんで早退もしていて、別の日に残業もしているかたがいた場合に、
その早退時間と残業時間を早退してもいいんですかね・・
※食事に行ったときにいいな~と思った箸と箸置き
残業時間の計算
毎月、診療所の従業員さんの給与計算をする前に、残業時間の計算をしなければなりませんよね。
給与計算をするだけだと、健康保険や厚生年金はほぼ決まった金額で、雇用保険料や所得税は給与計算ソフトが計算してくれるので、毎月の給与計算は楽だと思います。
しかし、残業時間を計算するのが時間がかかることがありますよね。
残業時間を計算しておりますが、そもそも残業時間とはどのような定義なのかと言いますと
労働基準法では、労働時間は原則1日8時間、1週40時間までと定められています。この法定労働時間を超えて労働をさせた場合が、労働基準法の(法定)時間外労働です。これが割増賃金の対象になります。
※大阪労働局HPより Q1
診療所の場合は、週44時間までと決められているので、週に2日午前診療の日がある診療所が多いかと思います。
日によっては8時間を超えたら残業、4時間を超えたら残業と計算していかなければなりません。
早退時間と残業時間の相殺はOKなのか
そんな面倒になりがちな残業時間の計算において、
残業した従業員の方が別の日に早退をしていたら、その両方の時間を相殺して計算すると楽なのですが、いいのでしょうか・・・
早退時間と残業時間を相殺してはダメなんです。
早退時間の計算は、日中の通常勤務する時間内に働いてない時間がある場合になるので、それは給与の1倍の時間計算になります。
一方、残業時間は給与の1.25倍の時間計算ですよね。
ですから、この1倍と1.25倍の時間計算の給与分を相殺してはダメなんです。
大阪労働局HPにも
昨日2時間の残業をさせた従業員について、今日2時間早く返せば残業手当を支払わなくても構いませんか。
2時間分の時間外手当の支払が必要です。
(労働基準法第37条)
※大阪労働局HP Q10
ちなみに労働基準37条とは
(時間外、休日及び深夜の割増賃金)第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。○2 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。○3 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。○4 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。○5 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
だから、少々面倒な残業時間の計算で早退時間があっても、残業時間と相殺してはいけないんですね。
どうにか楽ができないかと、タイムレコーダーを導入して、給与計算ソフトと連動できるようにして、手間を省こうと試行錯誤しております。
タイムレコーダーの設定は、思ったよりも手間と時間がかかります・・・
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【足あと】
昨日はハウスメーカーの営業の方と話す機会がありました。
年齢が近く、同じ地元出身で過ごした地域が同じで、現在住んでいる地域も同じということで、とても話が弾みました。
いろいろと不動産業界のことを教えていただき、知らないことがたくさんあり、楽しかったです。
同じくらいの年齢の方で活躍されている方と出会うと、とても元気をもらえます。
【昨日のにっこり】
ハウスメーカーの営業の方の話がおもしろかったこと
息子の学校の三者面談が終わり、ほっとしたこと
大雨が降ったが、移動ができたこと