6月に特別徴収している会社には、従業員さんそれぞれの住民税が書かれた書類が届いているかと思います。
その住民税を会社で一括で納付して、従業員さんからも一括で給与から差し引きしてしまっていいのでしょうか?
※ココナッツジュース
住民税は給与から差し引きしていいの?
給与は、下記のように、原則があります。
その中のひとつに、「全額払いの原則」というものがあります。
会社が特別徴収をしていれば、当たり前のように給与から住民税が差し引きされてしまいます。
しかし、住民税を給与から差し引きされてしまうと、「全額払いの原則」に反するのでは?と思われるかも知れません。
この「全額払いの原則」には例外があり、「法律で別段の定めがある場合は、それを差し引きしてもいいですよ」というものがあります。
ですから、住民税は給与から差し引きされてもいいのです。
というか、会社が特別徴収をしていれば、給与から住民税を差し引きしないといけないのです。
※賃金の額や支払方法などは、労基法等で規制されているのでしょうか?|Q&A|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
(賃金の支払)第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。② 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
(給与所得に係る個人の市町村民税の特別徴収)第三百二十一条の三 市町村は、納税義務者が前年中において給与の支払を受けた者であり、かつ、当該年度の初日において給与の支払を受けている者である場合においては、当該納税義務者に対して課する個人の市町村民税のうち当該納税義務者の前年中の給与所得に係る所得割額及び均等割額の合算額は、特別徴収の方法によつて徴収するものとする。(給与所得に係る特別徴収義務者の指定等)第三百二十一条の四 市町村は、前条の規定により特別徴収の方法によつて個人の市町村民税を徴収しようとする場合には、当該年度の初日において同条の納税義務者に対して給与の支払をする者のうち所得税法第百八十三条の規定により給与の支払をする際所得税を徴収して納付する義務がある者を当該市町村の条例により特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。
<参考>
賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
地方税法の施行に関する取扱いについて(市町村税関係)(PDF) 総務省
1年分の住民税を一括で差し引きしていいの?
特別徴収している会社が、従業員さんの住民税の1年分を一括で納付したとします。
住民税が給与から差し引きされることはわかっても、1年分を1月の給与から一括で差し引きするのは、ちょっと・・・・と思われるかも知れません。
住民税の「納期の特例」を利用していたとしても、毎月の給与から住民税を差し引きすることになります。(下記参照)
そうであれば、いくら会社が勝手に1年分の住民税を納付したとしても、その住民税を従業員さんの1ヶ月の給与から1年分を差し引いていいことにならないのでは・・・
役所に問い合わせたところ、
まず、会社が毎月納付する住民税の1年分を一括で納付することは、できます。
それで、その1年分の住民税を従業員さんの1ヶ月分の給与から差し引きすることもできます。
とのことでした。
ただし、1年分を一括で支払ってしまうと、年の途中で税額の変更がある場合があるので、そうなった場合追加で納付が必要になるので、ご注意くださいとのことでした。
しかし、現実的に1年分の住民税を1ヶ月の給与から差し引きしてしまうと、従業員さんの手取りが少なくなってしまうので、お勧めはできません。
実際にこれを行っている会社があると聞いたので、びっくりしました。
【足あと】
1日、エアコンのきいている部屋にいるときは、体が冷えてしまいます。
こんなに暑いのに・・・と思われると思いますが、カイロを貼ってます。
夏場も活躍するカイロです。
【昨日のにっこり】
期間限定の仕事が終わったこと
昔読んだマンガを見つけ、Kindleで読んだこと
法人の名称変更の手続きがかなり進んだこと