農地を地目変更して売った場合に、その地目変更費用は譲渡所得の計算で控除していいのでしょうか・・
※散歩道にて
譲渡費用
譲渡所得を計算する場合に、譲渡にかかった直接の費用は控除することができます。
主な譲渡費用
譲渡費用の主なものは次のとおりです。
(1)土地や建物を売るために支払った仲介手数料
(2)印紙税で売主が負担したもの
(3)貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
(4)土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
(5)既に売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売るために支払った違約金
これは、土地などを売る契約をした後、その土地などをより高い価額で他に売却するために既契約者との契約解除に伴い支出した違約金のことです。
(6)借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など
このように、譲渡費用とは売るために直接かかった費用をいいます。
したがって、修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用、売った代金の取立てのための費用などは譲渡費用になりません。
(譲渡費用の範囲)
33-7 法第33条第3項に規定する「資産の譲渡に要した費用」(以下33-11までにおいて「譲渡費用」という。)とは、資産の譲渡に係る次に掲げる費用(取得費とされるものを除く。)をいう。
- (1) 資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記若しくは登録に要する費用その他当該譲渡のために直接要した費用
- (2) (1)に掲げる費用のほか、借家人等を立ち退かせるための立退料、土地(借地権を含む。以下33-8までにおいて同じ。)を譲渡するためその土地の上にある建物等の取壊しに要した費用、既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除したことに伴い支出する違約金その他当該資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用
(注) 譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持又は管理に要した費用は、譲渡費用に含まれないことに留意する。
しかし、地目変更の費用はどうなのかというのは書かれていません。
参考
土地改良区内の農地の転用目的での譲渡に際して土地改良区に支払われた農地転用決済金等がある場合における譲渡費用の取扱いについて(法令解釈通達)|国税庁
において、「売買契約において、土地改良区内の農地を転用して売買することが契約の内容になっていたものであること」をひとつの条件に、土地改良区への農地転用決済金及び協力金等は譲渡費用になると書かれてあります。
また、東京高等裁判所平成18年(行コ)第106号所得税更正処分等取消請求控訴事件(原判 決取消し)(確定)(納税者勝訴)では、
資産の譲渡に当たって支出された費用が所得税法33条3項にいう譲渡費用に当たるかどうかは、一般的、抽象的に当該資産を譲渡するために当該費用が必要であるかどうかによって判断するのではなく、現実に行われた資産の譲渡を前提として、客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断すべきである。
と判断されています。
上記より、農地の地目変更費用は、契約に地目を変更することが売買の条件にされている場合であれば、譲渡費用とすることができると言えます。
しかし、ただ保有しているときに地目の変更をしておいたほうがいいかな・・ということであれば、譲渡費用には該当しないとなるのではないかと考えます。
【足あと】
先週に引き続き天気が良かったので、ウォーキングしました。
桜が散っていてとてもきれいでした。
その中を歩き、気持ちもリフレッシュできました。
【先週のにっこり】
桜が散る中、歩くことができたこと
衣替えをしてすっきりしたこと
書き出すことができたこと