個人事業主の方ですと、12月末時点での棚卸表を作成しているかと思います。
あれって、業種によっては大変ですよね。
その棚卸って調べてどうなるのでしょうか?
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棚卸表って・・・
事業をされている方であればわかると思いますが、決算が来るたびに在庫確認をする「棚卸表」を作成するのは、大変ですよね。
夫の診療所でも、決算期の末日は従業員さんが在庫確認を行っております。
単品で数えやすいものであればいいのですが、箱で買って、それが使いかけであれば、その使いかけの分まで細かな個数を数えなければなりません。
こんな大変な思いをしてるけど、この「棚卸表」が決算にどのように関係しているかご存じないかたもいらっしゃるのではないでしょうか・・・
この大変な思いをして作成する「棚卸表」は決算において重要な役割をはたしているんですよ。
まず「棚卸表」を作成するときに、こうしておくと税理士事務所のかたは助かる点をいくつは確認したいと思います。
①「税込」なのか「税抜」なのかをハッキリさせておく
金額が書かれているけれども、それが「税込」なのか「税抜」なのかで金額が変わってくるので、どちらなのかを明記しておくとわかりやすいです。
②合計金額だけでなく、詳細も書くておく
棚卸表が必要で、金額が必要だからといって、総合計だけを税理士事務所へ伝えるのではなく、在庫の内訳を単価・在庫数・金額と分けて書いておいてもらえるとわかりやすいです。
③なんとなく3割ではなくて・・
100枚入りの箱買いしたものの在庫を数えるのって、面倒くさいですよね。
だからといって、「残りがだいたい3割くらい」とは書かないで下さい。何枚なのかを書くようにしてください。
決算にどんな関係があるのか?
さてさて、「棚卸表」に書かれた在庫の金額と決算とがどのように関係しているのでしょうか。
この「棚卸表」に書かれた在庫の金額によって、決算書の利益が変わってくるのです。
これって重要ですよね。
なぜかというと・・
日頃仕入れに使った金額 = その事業年度の仕入の金額
にならないのです。
その事業年度の仕入の金額 =
その事業年度の始めにあった在庫の金額 + 日頃仕入れた金額–棚卸表の在庫の金額
という計算式によって、その事業年度の仕入の金額は決まります。
この仕入の金額が多くなると ⇒ 経費が多くなる ⇒ 利益が減る ⇒ 税金が少なくなる
となるので、仕入の金額の計算はとっても重要で、その鍵を握っているのが「棚卸表」の在庫の金額なのです。
たとえば、診療所の場合でいうと
仕入の金額=
決算期の始めにあった在庫の金額 + 日頃仕入れた注射器や注射液など - 「棚卸表」の在庫の金額
1年間の診療報酬の金額 -仕入の金額= 利益
インフルエンザの患者さんがたくさん来るかと思って、注射器や注射液を仕入れていたけれども、今年のようにコロナの影響でほとんどインフルエンザの患者さんがいなかった場合などは、その仕入れていたインフルエンザ用の注射器や注射液が余ってしまいます。
その余ってしまっている注射器や注射液までも、利益を減らすこととなる仕入の金額には入れることができないのです。
利益を計算するときの仕入の金額は、診療報酬(売上)をあげるために使った注射器や注射液の金額だけとなります。
仕入れたけれどもまだ使っていない注射器や注射液を使って、また来年売上を上げることができたならば、その注射器や注射液は来年の仕入の金額になることとなります。
ですから、「棚卸表」の在庫の金額を操作してうその「棚卸表」を作成することによって、利益を操作することができてしまうのです。⇒脱税
ですから、めんどうでもきちんと数えた「棚卸表」を作成することは、とっても重要なことなのです。
「棚卸表」によって、決算書の利益が変わってくるのですよ。
【足あと】
炊き込みご飯を作りました。
にんじんにひじき、鶏肉、雑穀米(けっこうたくさん)
すると・・見た目が色の悪い炊き込みご飯ができあがりました。
家族が食べてくれるかな・・と心配でしたが、みんなたくさん食べてくれました。
【昨日のにっこり】
色の悪い炊き込みご飯を食べてくれたこと
ゆっくりできたこと
新しい冷蔵庫の使い心地がいいこと